福島県初の芥川賞作家・中山義秀の作品と人物像の迫る 郡山の研究家・庄司さん講演

福島県初の芥川賞を受けた作家・中山義秀没後50年記念講演会は5月25日、郡山市立中央公民館であった。

藤沢周平の作品を楽しむ会創立11周年記念講演会を兼ね、代表で中山義秀研究家の庄司一幸さんが「中山義秀の歴史小説『残照』と郡山町の誕生と遊女の句碑」と題して講演した。
庄司さんは「歴史小説『残照』は郡山市ゆかりの作。文政7年に郡山宿が町に昇格した当時の背景が色濃く出ている。町の呼称の許可を祝って共楽園(現在の麓山公園)が造られ、藩主の愛妾の別邸が設けられたが、その愛妾だった遊女の句碑が別邸に代わって建てられている」などと説明した。

郷土が輩出した偉人にも触れ、「郡山が生んだ俳人の佐々木露秀と幕末の朱子学者・安積艮斎は数少ない偉人である」とした。
中山義秀は福島県西白河郡大信村(現・白河市)生まれ。昭和13年岩瀬郡長沼町(現・須賀川市)を舞台にした「厚物咲」で、福島県人で最初の芥川賞を受けた。時代の流れの中で数奇な運命をたどった人々の姿に、作者自身の孤高の精神の悲しみを投影した名作であり、これを機に中山は孤高の作家として知られるようになった。
庄司さんは「中山義秀は深い悲しみの中で悩み、死の間際にはキリスト教の洗礼を受けた」とも話した。
次回は6月22日に特別講演会を予定。新明康弘さんが「人生の折々に出会った藤沢周平作品」と題して講演する。
藤沢周平の作品を楽しむ会への問い合わせは、電話024-945-5473。

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