地中熱の利用を考える 郡山でふくしま地中熱利用情報交換フォーラム

ヒートアイランド対策から融雪、冷暖房と幅広く利用できる地中熱。そうした多用途な地中熱利用の注目が集まる中、2019ふくしま地中熱利用情報交換フォーラムがこのほど、郡山市中央公民館で開かれ、地中熱利用の将来性を考えた。
福島県は東日本大震災・原発事故後、県内原発の全基廃炉を前提とした「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を復興の理念に掲げ、その中で地中熱利用は再生可能エネルギー施策の重要な一つとして位置づけている。

フォーラムの基調講演で、環境省東北地方環境事務所の小沢晴司所長が「我らに要るものー大きな力と熱~福島の豊かな自然と風土を活かした環境再生を目指し~」と題し、地域自然環境理解の重要性を説いた上で具体的な導入の取り組みを説明した。

隣接の宮城、新潟両県の研究会、自治体の活動も紹介。このあと、福島県設備設計事務所協会の小柳浩会長、建築設備技術者協会東北支部の黒澤正志支部長、土田建築設計事務所の飛木佳奈取締役・企画室長らによるディスカッションもあった。

地中熱は、地表から地下約200㍍の深さまでの地中にある熱。このうち、深さ10㍍以深の地中温度は季節に関わらずほぼ安定し、夏は外気温より冷たく、冬は暖かい性質を持つとされる。
こうした安定した熱エネルギーを地中から取り出して利用する方法は、ヒートポンプ、空気循環、熱伝導、水循環、ヒートパイプの5つに分類できる。
環境省の調査では、地中熱利用システムの設置件数は7748(2017年度末現在)で、ヒートポンプが最も多く2662。次いで空気循環2060、水循環2024となっている。国内での地中熱利用システムの導入件数は北海道が最も多く762。次いで山形県724、千葉県652と続く。概ね北海道、東北、北陸などの積雪寒冷地での設置が多い。
このうちヒートポンプ方式の設置件数は、北海道が714と突出して多く、次いで秋田県、東京都、長野県、新潟県、岩手県、青森県、埼玉県、福島県98と続く。
地中熱はこれまで至る所で設置され、東京スカイツリー地区、羽田空港ターミナル、東京オリンピック・パラリンピックのバレーボールなどの競技会場となる有明アリーナや水泳会場の東京アクアティクスセンターなどの施設にも導入されている。
用途は道路融雪、農業用途、温水プール、病院、学校、消防署、庁舎、鉄道施設と広範囲だ。

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